小学校のプログラミング教育について学ぶ(その2)

小学校でプログラム教育を行う背景を書きましたが、その2では、プログラミング教育ではどんな力を育むのか??について考えます。引き続き、小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)からの引用です。

プログラミング教育ではどんな力を育むのか?

プログラミング教育の実施に当たっては、コーディングを覚えることが目的ではないことを明確に共有していくことが不可欠である。

と書かれています。

これがまさにとても大切なポイントなのですが、プログラミング教育では、プログラマーを生み出したいというわけではないということです。
もちろん、プログラミング教育の経験を経て、プログラマーになりたいという子たちが増えるに越したことはないのですが、それが目的ではないということは念頭においとかないといけません。

プログラミング教育とは、子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、発達の段階に即して、次のような資質・能力を育成するものであると考えられる。

【知識・技能】
(小)身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。
(中)社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、簡単なプログラムを作成できるようにすること。
(高)コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決にコンピュータを活用できるようにすること。
【思考力・判断力・表現力等】
・ 発達の段階に即して、「プログラミング的思考」(自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力) を育成すること。
【学びに向かう力・人間性等】
・ 発達の段階に即して、コンピュータの働きを、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養すること。

つまり、プログラミング教育で育みたいのは、この『プログラミング的思考』を育みたいのです。

「主体的・対話的で深い学び」の実現に資するプログラミング教育とすることが重要であり、一人で黙々とコンピュータに向かっているだけで授業が終わったり、子供自身の生活や体験と切り離された抽象的な内容に終始したりすることがないよう、留意が必要である。楽しく学んでコンピュータに触れることが好きになることが重要であるが、一方で、楽しいだけで終わっては学校教育としての学習成果に結びついたとは言えず、子供たちの感性や学習意欲に働きかけるためにも不十分である。学習を通じて、子供たちが何に気付き、何を理解し、何を身に付けるようにするのかといった、指導上のねらいを明確にする必要がある。

プログラミング教育を通しても、「主体的・対話的で深い学び」です。

やり方を教えるというよりは、こどもたち自身が主体的に学べるよう、またトライアンドエラーで学べるように寄り添って導いていくという姿勢も大切なのだと思います。

 

次回は、scratchについて簡単にみてみたいと思います。